パオロ・マッツァリーノの作品世界『13歳からの反社会学』をお読みになって、こういう疑問を感じたかたはいませんか。「パオロは学校や塾の先生でもなさそうだし、留吉と愛美は、パオロといつもどこで話をしているのだろう?」その疑問にお答えしましょう。じつは、『コドモダマシ』と、『ザ・世のなか力』(雑誌『VERY』とWeb春秋で連載した「悩めるお母さんのためのおいしい読書案内」をまとめたもの)、そして『13歳からの反社会学』は、同じ架空の町内を舞台として、世界観を共有しているのです(おおげさな……)。 わりと古くからある町ですが、周辺は新たな宅地造成が進み、けっこうにぎわっていて人通りもあります。 商店街のはずれに、謎の日系イタリア人パオロが一人で切り盛りする、立ち食いそば屋兼古本屋という特殊な業務形態のお店がある設定です。ちなみに店名は「ブオーノそば」。 ここに、留吉や愛美が学校帰りに立ち寄って話を聞いたり、『ザ・世のなか力』の天然わがままお母さんが相談に訪れたりしている、とお考えください。 細かい点を深く追求すると、たぶんアラや矛盾が生じますので、だいたいこんなものだと、ざっくりとらえていただければ、と。 |